コロナ禍で旅行や飲食、外出など、ストレス発散にも制限がかかる中、心の不調を訴える人も増えている。今こそ必要なのは、自分で自分の心の調子を整え、いつでも幸せを感じられる様にメンテナンスすること。とはいえ、なかなか学ぶ機会のない「心の扱い方」。じつは、ヨガの世界では何千年も前から語りつがれているという。
 そこで、瞑想・ヨガインストラクターの椎名慶子先生に、さまざまな悩みやネガディブな気持ちに対応するヨガの智慧や瞑想法を教えていただきました。第4回は人と比べてしまう、自己肯定感が低い時。

椎名慶子

瞑想・ヨーガ・
シータヒーリング ®️・ベビーサイン講師

ウタール ヨーガ・ヒーリングスクール主宰

NYにて全米ヨガアライアンスを取得後、アメリカ、日本、インドにて瞑想やヨーガ哲学、マントラなどを専門的に学び、ホットヨガスタジオLAVAの創業インストラクターとして数々の人気プログラムを開発。1000名を越えるヨーガインストラクター教育を担う。現在は瞑想を主にしたウタール ヨーガ・ヒーリングスクールの主宰を務め、「一人ひとりがハッピーに生きること」をテーマに活動している。

Uttal yoga & healing school https://uttals.com/

 

人にはそれぞれの時の流れ「タイムゾーン」がある

 皆さんこんにちは。瞑想・ヨガインストラクターの椎名慶子です。

「心の扱い方〜ヨガと瞑想に学ぶセルフメンタルケア」として、自分で自分のココロに向き合い、不安や苛立ち、悲しみなどに気づき、手放すことで穏やかな気持ちを取り戻していく、セルフメンテナンスの方法をお伝えしたいと思います。

 第4回のテーマは、「人と比べてしまう、自己肯定感が低い」と感じる時。

Big_and_serious/ iStock / Getty Images Plus/Getty Images

 人は誰しも、その人だけの時の流れ“タイムゾーン”にのって進んでいます。

 今、赤ちゃんの人もいれば、学生をしている人も、社会で働いている人も、家庭の中で働いている人も、引退している人もいますね。今まさに成功している人もいるし、今まさに困難の中にいるという人もいます。

 独身の人もいるし、結婚している人もいるし、結婚して子どもを授かるまで10年待った人もいれば、結婚してすぐに赤ちゃんを授かった人もいます。

 22歳で学校を卒業してから、自分に合った仕事につくまでに5年かかった人もいれば、27歳で卒業してすぐに、自分に合った仕事を見つけた人もいます。

 25歳で会社を設立して、50歳でこの世を去った人もいれば、50歳で会社を設立して、90歳まで生きた人もいます。

 皆、それぞれの“タイムゾーン”のなかで生きていて、その自分のペースに沿って物事を成し遂げるようになっています。ですから、いつも「自分の時の流れ」、自分だけのタイムゾーンで進みましょう!

 時折、友達や、同僚や、自分より若い人が自分よりも先を走っていて、幸せそうに“見える”こともありますね。そして、誰かが自分よりも遅れていて、不幸せなように“見える”こともあるかもしれません。

 でも、その人たちを羨んだり、馬鹿にしたりしないでください。それが、その人たちの“タイムゾーン”なのです。

 あなたは、あなただけのタイムゾーンで存在しています!

 このことを理解して、いつも強くいましょう。自分の人生を確実に進めることにフォーカスしてください。

 すべての物事は、必ず、あなたにとって最善のタイミングで、最善となるように動いています。今はわからなくても、ずっと先の未来「あぁ、あの時、あのことがあった。それに意味があった」とわかることもたくさんあります。

 あなたは、遅れてもいないし、早すぎてもいない。

 まさに、あなただけの時の流れにのって、今、この瞬間を体験しています。

 そのことを知って、スマイルして前に進みましょう!

 

 それでは、呼吸法と瞑想に移ります。音声ガイドを聴きながら、ぜひ実践してみてください。

音声ガイド 03:40〜

 

【人と比べる気持ちを手放す呼吸法&瞑想】

①スカ・プールヴァカ:快適な呼吸法(1~2分)
・左の鼻の穴と右の鼻の穴を交互に使って呼吸をする方法です。左右の鼻の両方を使うことで、心身のバランスがよくなり、心が安らぎ、集中力が身につきます。

・楽な姿勢で背筋を伸ばして座ります。(椅子に座っても、床に座ってもOK)
・右手の人差し指と中指を眉間に置き、親指を右鼻の上に置いて、薬指を軽く曲げて左鼻の上に置いて、小指は軽く曲げて薬指に沿わせ、目を閉じます。(両鼻はふさがずにおく)
・両鼻から深く息を吸います。
・親指で右の鼻を閉じて、左の鼻から息を吐きます。吐ききったら左の鼻から息を吸って、吸いきったら両鼻を閉じてほんの少し(1秒程度)息を止めます。
 親指を緩めて右の鼻から息を吐いて、吐ききったら右の鼻から息を吸い、吸いきったら両鼻を閉じてほんの少し(1秒程度)息を止め、左の鼻から息を吐きます。(これで1セット)

・気持ちの滞りが流れていくのをイメージしながら、気持ちが落ち着いてくるまで自分のペースで1~2分繰り返し、心地よいタイミングでゆったりとした自然な呼吸に戻します。

②瞑想(2~3分)
・目を軽く閉じたまま、自分が最善のタイミングで、自分の人生の流れに乗って進んでいるところをイメージします。
・自分自身が輝き、満たされた気持ちで人生を歩んでいる未来の姿を想像しながら、ゆっくりと2~3回深呼吸して、そっと目を開き瞑想を終わりにします。

 ※瞑想は、1日1回、毎日やることをおすすめしています。歯磨きのように、やる時間を決めて、毎日の習慣にするのが継続するコツです。