先日、日販(日本出版販売株式会社)が、2025年の年間ベストセラーを発表しました。

「出版社にとってかなり厳しい内容だな」とランキングをみて感じました。

新書ノンフィクションの1位に、「独断と偏見」(二宮和也・集英社新書)が入っていましたが、8月のニュースリリースでは6刷で累計発行部数が22万部突破とのこと。もちろんベストセラーには違いがないのですが、ランキング1位としては正直寂しいところ(年末までに売り伸ばしはあったでしょうが)。

総合ベストセラーでも、1位の「大ピンチずかん3」(鈴木のりたけ・小学館)を始め、シリーズものが多いと感じました。また映画の効果があり話題になった「国宝」(吉田修一・朝日新聞出版)も文庫版の最初の刊行年は2021年です。

なかでも特筆すべきと感じたのは、4位の「TOEIC L&R TEST出る単特急金のフレーズ」(朝日新聞出版・TEX加藤)と、12位の「英単語ターゲット1900 6訂版」(ターゲット編集部・旺文社)

ともに語学学習の大定番で、ロングセラー作品なのですが、新刊ではなくこういうジャンルの書籍が上位に入ってくることは、新刊が低調だったということの裏返しのように思えます。

最近、大部変わってきているとはいえ、従来の新刊中心主義の考え方から脱却していく必要があるのだろうなと。

英語学習の定番作品は、教育系ユーチューバーなどがお勧めに挙げるたびにAmazonなどの書籍ランキングが上位になります。内容が良いものが、ロングで売れ続けるといった傾向にあるともいえ、それはそれで悪くないのかもしれません。

“実用的”で、かつ“定番”になるものが、今後しばらくは強いのではないかなと。

そういったことも踏まえまして、シンクロナスで連載中の「拝啓、小説を書いてみませんか」<講義編>をベースにした書籍を、3月に刊行する予定です。

ロングで売れる小説の書き方の定番となることを目指して、仮タイトルは「小説の書き方の教科書」

鋭意編集作業中です。お楽しみに!

編集・雪