夫婦カウンセラーとしてこれまで2000組以上の夫婦をサポートし、著書『夫は、妻は、わかってない。夫婦リカバリーの作法』でも注目を集める安東秀海先生が、読者の皆様から寄せられた夫婦関係のお悩みにお答えする「夫婦リカバリー相談室」。
シリーズ「夫婦リカバリーの法則」では、夫婦の問題を解決に導くための様々なアプローチを安東先生が紹介、解説していきます。3回にわたり、まずは夫婦の間の問題を分解・整理して理解する方法についてお送りします。(第1回)
夫婦の問題を解決に導く「見立て」
「夫が職場の同僚と不倫をしていました」
「妻の態度が急に冷たくなって」
「長年、夫にウソをつかれていたことを知ってしまいました」
夫婦のリカバリー相談室ではこれまで、夫婦間の問題に直面した時の取り組み方や心構えについてお答えしてきました。
ひとつひとつのご相談には、それぞれの事情と背景があり、うまくいかない「問題の構造」もまた、ふたつと同じものはありません。
当然、適切なアプローチもそれぞれ異なるのですが、浮気や不倫問題では「まず自分をケアすること」が必要なように、事柄によっては、ある程度共通のアプローチを適用できる場合もあります。
それでも、多くのケースでは事の経緯や状況次第で有効な取り組みも変わるため、カウンセリングでは慎重にリスニングを重ねながら「見立て」を立てていきます。
今回は、夫婦の問題を解決に導く「見立て」の方法から、問題を立体的に理解する方法についてご紹介したいと思います。
夫婦という関係の特別性
夫婦関係の改善が一筋縄ではいかない理由には、その関係の特別性が挙げられます。
夫婦というのは、その他どんな関係性よりも長期間にわたり、日常生活の多くを共有する間柄です。関係が長期にわたるということは、それだけ気持ちのわだかまりも蓄積されやすいということですし、日常の多くを共有するということはそれだけ衝突する機会も多くなります。
子どもが親許から独り立ちするまでをおおよそ20年と考えれば、夫婦の関係性がいかに長期的な関わりかは言うまでもありません。しかも生活空間に始まって、財産、子育てというプロジェクト等、人生における重要なものの大部分を共にするわけですから、その関わりの深さも他のどんな関係とも比較になりません。
深く広く長い、そんな、特別な関係だからこそ夫婦の問題もまた、多岐に及び、複雑に絡み合います。
「どうして夫婦関係だけがうまくいかないのでしょうか?」
カウンセリングではよくそんな言葉を耳にしますが、この関係の特別性を考えれば、不思議なことではないのかもしれません。
必要以上に難しく考えたり、構えたりする必要はありませんが、もし今夫婦関係に躓いていると感じているなら、問題がこじれないよう、早めに対策を立てたいところ。そのためには、まずは何が問題となっているのか、違和感に感じるところを紙に書き出してみるのが良いと思います。
この段階で対話を始めるご夫婦が多いように思いますが、問題を掘り下げていくプロセスでは隠れていた感情が刺激されて思わぬ炎上を招いてしてしまうこともあります。
ここでは対話は次のステップと考え、まずは問題と感じていることを分解・整理してみることをお勧めします。
【続き】日常会話はできてる? どうしても理解できないことは? 夫婦の間の「違和感」を掘り下げる
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