結婚生活の中で積もり積もった不満や違和感。もう離婚しかないと思うほどの不仲やトラブル。
さまざまな夫婦の在り方があるからこそ、ふたりの間だけで解決できない悩みや問題を抱える人も少なくないでしょう。
夫婦カウンセラーとしてこれまで2000組以上の夫婦をサポートし、著書『夫は、妻は、わかってない。夫婦リカバリーの作法』でも注目を集める安東秀海先生が、読者の皆様から寄せられた夫婦関係のお悩みにお答えします。
今回は、これまで育児を妻に任せきりにしていたことで、夫婦関係が破綻してしまったというご相談。行動を改めようとしても上手くいっていないようで……関係修復への道はあるのでしょうか?
ナオキさん(仮名)からのご相談
結婚して1歳の娘がいる父親ですが、夫婦関係が破綻しており関係修復に向けてご相談させて頂きたいです。
不仲の原因は、妻と付き合ってから約7年間私が妻とのコミュニケーションを大切にしてこなかったこと、育児を一切妻に任せてしまい、子育てを一生懸命に取り組まなかったことです。
それを突き詰めていくと、私自身におそらくアスペルガー症候群という発達障害があり、他者を思いやることができず、精神年齢が幼いためだと思っています。
また、私の母親と妻の関係も悪く、それも原因の一つであると思っています。
自分自身が未熟でなんとか日々の行動を改善しようと、お皿洗いやお風呂洗いなど、できる家事からやってみたりしているのですが、少し家事の中で自分の不器用な所が出たり、良かれと思ってやったことが妻の逆鱗に触れ、夫婦関係は既に破綻してしまっていて、3月までに別居しなければならない状況です。
私としては今までの行動を全て改めて頑張りたいと思うのですが、関係修復に向けてどうすればよいのか分かりません。是非アドバイス頂けると幸いです。
(夫・ナオキ、妻・ヨウコ)
妻が「別居」を望んだ背景は? パートナーとしての「あり方」を考えてみる
妻のヨウコさんとの関係が破綻している、というナオキさん。
3月までに別居しなければならない状況、というのはヨウコさんから離れて暮らすことを求められている、ということなのでしょうか?
そうだとすれば、小さいお子さんがいらっしゃる中でもあり、日々大きな不安を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
なんとか打開策を見出すお手伝いができればと思うのですが、いただいたご相談状況からは、ヨウコさんの強い覚悟も感じ取れて、なぜ今「別居」なんだろう?と気掛かりが残ります。
「育児を一切妻に任せてしまい」とあるように、そもそもワンオペに近い状況で、たとえ別居になっても毎日のオペレーションに大きな違いはない、ということなのでしょうか?
とはいえ、お子さんの成長を日々共有できない「別居」を選択されるには、相当な葛藤があったはずです。
それでも、あえて「別居」を望まれるのは、それ以上のストレスが、今の夫婦関係にはあるということなのだと思うのです。
何がそこまでヨウコさんを追い詰めてしまったのか? 今ここに至るまでにどんな歩みがあったのか?
この状況を打開するには、まずそこにあるヨウコさんの痛みを理解することから始める必要があります。
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