購入した書籍に作家からサインをしてもらえる「サイン会」。好きな作家のサイン会に参加したことがある、という方もいらっしゃるかもしれません。

 2023年10月7日(土)に八重洲ブックセンター京急上大岡店で開催された「作家9名 合同サイン会」は、総勢9名の作家の方からサインをもらえるイベントです。参加作家の1人として見たサイン会の様子を、額賀澪さんにレポートしていただきました。

作家に会える書店イベントの舞台裏

 今回の「小説家のお仕事の裏側」は、2023年10月7日(土)に開催された八重洲ブックセンター京急上大岡店での合同サイン会の模様をお届けします。

 合同サイン会は普通のサイン会とは違い、複数の作家が集まってサイン会を行うイベントです。一人の作家のサイン会よりたくさんお客さんが来てくださり、お客さんも一度に複数の作家のサインがもらえる楽しいイベントです。

イベント開始直前の様子。各ブースで作家からサインをしてもらえる

 合同サイン会に限らず、小説家が出演するイベントは基本的に書店からオファーがあり、それを小説家が引き受ける形で開催されます(出版社が主導して書店でイベントを開催する場合もあります)。

 今回の合同サイン会も、八重洲ブックセンター京急上大岡店から「やりましょう!」という依頼があって開催にいたりました。

 ちなみに主催の八重洲ブックセンター京急上大岡店は新刊が出るたびに私の本をたっぷり並べてくださるので、本当に頭が上がりません。

八重洲ブックセンター京急上大岡店 文芸コーナー

会場到着!サインペンを用意して準備万端

 当日の準備の様子はこちら。

イベント開始前のサイン会ブース

 京急百貨店内の書店なので、エスカーレーター前のフロアにどーんとサイン会ブースが作られています。

 写真だとちょっとわかりづらいですが、人通りの多い賑やかな場所でのサイン会なので、通りかかった人が「なんかイベントやってるー!」と足を止めてくださって、とてもありがたかったです。

 今回のサイン会のメンバーは、天祢涼さん、安藤祐介さん、斎藤千輪さん、坂井希久子さん、田丸雅智さん、西尾潤さん、谷津矢車さん、椰月美智子さん、額賀澪の総勢9名。

 全員横並びで、それぞれのブースが作られています。始まる前に歴史小説家の谷津矢車さんが「競馬のゲートみたいですね」と笑っていました。

 ブースの横には作家陣の著作がどっさり。私の本も『青春をクビになって』『タスキメシ』『風に恋う』や、ドラマも無事終わった『転職の魔王様』シリーズなど、たっぷりご用意いただきました。

 
サイン会参加作家の著作がたくさん用意されている

 サイン会では何十冊とサインをするので、どんなサインペンを使うかが意外と大事です。私も愛用のサインペンを用意して、準備完了。サインをしたあとに上に被せる薄い紙は「合い紙」といいます。

愛用のサインペンと合い紙

合同サイン会スタート!

「ただいまより、合同サイン会を開始しまーす!」

 書店員さんの掛け声で、サイン会スタート。続々と本を抱えたお客さんがやって来ます。サインをもらいたい作家の本を買い、その本を持ってお目当ての作家のブースへ向かいます。

 全員分の書籍を購入したお客さんには、全作家のサインが入った特製サインPOPのプレゼントも。

参加作家全員のサイン入り特製POP

 POPのど真ん中にサインをする人がなかなか現れず、

「もうサインする場所がないよ~」
「誰か真ん中に書いて~」

などなど、みんなでワイワイしながら作りました。

小説講座の受講者の方も。印象に残ったお客さん

 サインをしている最中、短いながらお客さんとお話しできるのが楽しいです。SNSで自分の書いた小説の感想を見かけることはありますけど、読者と直接話ができる機会はなかなかないですからね。

 お喋りに夢中になるとサインを間違ってしまうことが実は結構あるので、内心ちょっとヒヤヒヤしています(笑)

 特に印象に残っているお客さんは、「『転職の魔王様』のドラマにエキストラで参加したんです!」と教えてくださった男性。最終話に通行人として出演したそうです。もちろん、『転職の魔王様』の1巻と2巻を買ってくださいました。

 あとは、サイン会のためにはるばる栃木から東京を飛び越えて上大岡まで来てくれた中学生。部活のことや進路のことを話してくれました。帰りの交通費を出してあげたいくらい嬉しかったです。

 なんとなんと、「拝啓、小説を書いてみませんか」を受講しているという方も来てくださいました(このルポを読んでくださっていたら、その節はありがとうございました!)。

 こちらはサイン中の様子。隣の席に座っていたショートショート作家の田丸雅智さんが撮ってくださいました。

『風に恋う』にサインを書いているところ

 お礼に田丸雅智さんのサインの様子を私が撮りました。

著書『憂鬱探偵』にサインをする田丸雅智さん

 ショートショート小説の創作講座もやっている田丸さんとは、空き時間に「面白い小説講座をやるには何が大事か?」という話で盛り上がりました。

 小説家は担当編集者とは密に連絡を取り合いますが、小説家同士はなかなか交流の機会がありません。はじめましての作家さんとこうしてお話しできるのは、合同イベントのいいところです。

サイン会、無事終了

 2時間のサイン会でしたが、あっという間に終了。イベント後は参加した作家陣でサイン本をたっぷり作りました。

 サイン入りPOPとともにお店に並んでいるので、お近くの方はぜひ八重洲ブックセンター京急上大岡店へ!

豪華サイン本がずらりと並ぶ

【次回は12月11日(月)更新予定】

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