シーズン佳境、8月中旬からメジャーリーグのなかでも屈指の好成績、データを残す鈴木誠也が、読者からのある質問から「選手として前進できたきっかけ」を綴ります

INDEX
1)「ドンキーコング」とカブス優勝争い
2)【質問 1】カープの結果は見ていますか? どう見えますか?
 ・「違う経験」がチームにもたらす効果
 ・CS進出、日本一に向けてカープに欠かせない選手
 ・(大谷)翔平はきっと自然にできている
(※数字はすべて2023年9月15日のものです)

ドンキーコングと残りシーズン

 ドンキーコングです。

 嘘です、鈴木誠也です。

 メジャーでは9月末にルーキー選手(1年目)が仮装をして移動する、という慣習?があります。ルーキー選手のロッカーに先輩たちが「衣装」を置いておく。ルーキー選手はそれを着て次の試合が行われる遠征先まで行かなければいけません。

 僕は2年目なのに、なぜか衣装がおいてありました(笑)。

 

「ルーキー」にあたる昨シーズン、長男の出産に立ち会っていて仮装できなかったのが理由らしいです。とりあえず、本当に暑かったです。

 シーズンも残り15試合になりました。

 8、9月とすごくいい雰囲気だったチームも、踏ん張りどころを迎えています。正直なところ、すごく疲れています。それはみんな一緒なんだろうと思います。

 せめて気持ち的な部分で、ポジティブになれるように、しっかりと目標を立てて一打席一打席を大切にしたいと思います。そういう意味でも、優勝争い、ポストシーズンに進出できる位置にいることはいい緊張感を持つことができています。

 首位・ブリュワーズとは4.5ゲーム差。少し差がついてしまいましたが、シーズンの最終戦はブリュワーズとの3連戦です。ここまでにどこまで踏ん張れるかが大事です。

 2位でもワイルドカード争いでも2位とプレーオフ圏内にいます。3位以下がダイヤモンド・バックス、サンフランシスコ・ジャイアンツなどと争っている状態で、次のシリーズからはライバルとなるダイヤモンド・バックスとの3連戦。

 個人的にはいいメンタル状態で試合に臨めています。カープ時代、自分が試合に出るようになり始めていたときにやっていた習慣、目標を明確に立てていく、という方法を取ってから打席のなかで余裕が出るようになりました。

 そのときに立てたホームラン15本はクリアし、今は少し上方修正しました。ヒット数130本もあと2本。しっかりと一歩一歩、頑張っていきます。応援、ぜひよろしくお願いします。

 ということで、今回はいただいた質問にお答えします。

【次回は「甲子園は見ましたか? 慶応高校野球部の優勝が話題になっていますが、どう思いましたか?」についてお答えいただきます。】(FROM編集部)

2)カープの結果は見ていますか? どう見えますか?

【質問】誠也選手こんにちは。カブスも優勝争いで大変だとは思いますが、カープの結果はみていますか? ぜひ応援してほしいです。

【回答】
 全部の試合を観ることはできないんですけど、ハイライトはいつも見ていて、強いチーム、カープらしい野球になっているって思っています。

 僕が移籍する前の3シーズンはずっとクライマックス・シリーズにも出られず、悔しい思いをし続けてきました。そのときに比べて、当時若手だった選手が出てきて、(田中)広輔さんのような実績のある選手が戻ってきてくれた。こうやって経験を積んできた若い選手と優勝メンバーが融合しはじめたチームは強いと思います。

 今シーズンは阪神タイガースがちょっと抜けていて「アレ」だったんですけど……、カープもすごく良くなっているなと思っていました。

 カープが強いときって、レギュラー以外の選手が底上げをしてくれるんです。代打なんかで途中から出た選手が活躍したり、久しぶりにスタメンで出た選手が結果を残したり……そうやってチームとしてハマっていく。

 強いチームってそういうもの、と言われればそうなんですけど、いまのカープにはそういう雰囲気を感じます。

「違う経験」を持った人がチームにもたらす効果

 今シーズンから監督とヘッドコーチが変わったのも大きかったと思います。僕がずっとお世話になってきた佐々岡監督と河田ヘッドコーチから、新井監督と藤井ヘッドコーチへ。

 いい悪いではなく、監督とヘッドコーチが変わるとチーム自体が大きく変わる、というイメージがあります。

 特に、藤井ヘッドが入ったことで、選手たちはすごくいい刺激をもらっているんじゃないかな、と想像しています。阪神タイガースや楽天イーグルスなどでいろいろな経験をされてきた方なので、ずっとカープにいる選手にとっては「新しい視点」が見つけられる。

 僕自身、琢朗さんや河田さんがコーチ陣にいたこと、そして黒田さん、新井さんが選手として戻ってこられたのは、「新しい視点」をもらえる貴重な時間でした。

 今まで指導されてきたこと、やり方、技術……それらについて違った視点を与えてくれる。同じようなことを言っていても、「なるほどそういうやり方もあるのか」とすごくモチベーションが上がります。

 ずっといる指導者の方が悪い、とかではなく、単純に人って「新しいこと」「知らないこと」を知れるのが楽しいですよね。そんな感覚です。

 琢朗さん、河田さん、黒田さん、新井さん...