街を歩いていると、不意に耳に入ってくる言葉がある。誰かの会話、カフェのBGM、看板の文字。芸人・鈴木ジェロニモが、日常の中で出会った“ちょっと気になる言葉”に耳をすませて、思考を巡らせます。

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【過去の記事を読む】鈴木ジェロニモの「耳の音」 記事一覧

 

 意味が分からないかもしれないが、ずっと真夜中でいいのに。(以下ずとまよ)さんのイベントに出演するため奈良へ向かった。本当だ。正式名称を『特別公演祭 LEGACY ZOMBIE LABO「文禍伝雷」奈良・平城京』といい、チケット6万5千枚が完売の超巨大イベント。大きなありえなさに小さなありえなさがひっそり紛れ込んでいる。

 私は『祭Area「side stage “昼ノ宴”」』という、ずとまよさんによる夜のメインステージが始まるまでのサブステージ的な舞台に出させていただく。音楽の演奏もあるが、例えば私の前はせんとくん&しかまろくん&うにぐりくんよるダンス&グリーティング、私の後は土の研究者・藤井一至さんによる土についての講演。ここでしかありえない香盤。全ての出演者が全ての方向へ拡散するという形で混ざり合うことを達成していて誇らしい。

「ジェロニモさんならではの視点と『言葉』で表現いただけましたら嬉しいです」「リリースされた楽曲をステージでご披露いただくというのはいかがでしょうか」。そういうオファーだった。つまりは説明と歌。尺は20分間。コラボ商品を〈説明〉してその後歌うという流れでどうでしょうか。マネージャーを通じて返す。OKの旨が返ってくる。OKなんだ。芸人ですと言って出てきて、ネタ無しトーク無しで説明と歌で20分。自分で言っておいて、これは相当ありえない。

 そんな訳で一応私なりの緊張があり、ずとまよさんのファンの方々に説明っていきなりいけんのかとか、芸人ですと言って歌うってさすがにハテナなんじゃないかとか、浮かんでは来る。だが1秒後には得意の自分が現れて、いやそれが逆にってことなんですよねえ、といつも通り、誰と何を勝負しているのかは分からないが勝った気持ちが湧いてくる。

「ACAねさんがMVにコメントし、エッセイも読まれていると。鈴木ジェロニモさんです、どうぞ!」。司会の方が溌剌と呼び込んでくださり、こんにちは、と登場。Whoo! と歓声が上がる。...