すっかり寒くなり、猫の移動のために開け放していた扉を閉めることが増えました。その結果、猫がドアの前に立ち、「ウーン」と鳴いて訴えてくる場面も多くなってきました。
そこで、ブラックフライデーを機に半自動のペットドアを購入。扉に取り付けることで、猫が自分で押して開けられて、自動的に閉まるようになる仕組みのものです。
取り付け作業中は猫も興味深々で寄ってきていたのに、いざ完成すると閉まった扉の前で立ち尽くすばかり……。猫じゃらしやおやつで誘導すると、ようやく「ぐいっと押したら通れる」と理解してくれました。
猫が自分で扉を開けられるようになってからは、寝室で寝ていたと思ったらいつの間にかリビングにいたりと、上手く使ってくれているようで一安心。しかし、人間が近くにいるときはドアの前で立ち止まり、こちらを見つめながら「ウーン」と鳴いてくるのです。自力で開けずに、人に開けてもらおうとしている……
もしかしたら、猫には猫なりの「新しい技術との距離感」があるのかもしれません。自分で開けたら早いとわかっていても、あえて今まで通り人の手に任せてみる。「便利だけれど、あえて使わない」というのは、人間がAIなどの新しい技術を使うときの慎重さにも重なるようで、なんだか面白く感じました。
ペットドアのことはまだ完全に信用していないけれど、私のことは信頼しきってくれているのかな~!などとうぬぼれながら、猫の専属ドアマンをする生活はまだ続きそうです。
毎月末にメール配信する「ELSI最前線 Newsletter」では、ELSI(最先端技術に関する倫理的・法的・社会的な課題)に関連する国内外...続きを読む
(編集・谷本)
