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この特典ページでは、本書に登場してくれた学校や、吹奏楽コンクール常連校・強豪校の部活での日常風景、練習方法、定期演奏会の様子などをお届けします。
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ドラムセットを中心とした基礎合奏
近畿大学附属高校吹奏楽部のユニークな点は、基礎合奏をドラムセットを中心とした打楽器類のリズミカルな音に乗せておこなうところだ。一般的にはメトロノームやハーモニーディレクター、あるいは指揮に合わせて基礎合奏をおこなうバンドがほとんどだろう。
近畿大学は「ジャズポップスのチャンピオン」と呼ばれ、吹奏楽コンクールに代表されるクラシカルな曲の演奏のみならず、ジャズポップスの分野でめざましい活躍を見せている。
だが、このドラムセットを中心とした基礎合奏は、必ずしもジャズポップスの感覚を身につけるためだけにおこなっているのではないと指揮者の小谷康夫先生は語る。
「この方法は、もちろん、ジャズポップスのビート感が養えます。ただ、それに特化したものではなく、シンフォニックな演奏にも通じるものだと捉えています」
近畿大学附属高校では、演奏曲のジャンルにとらわれず、この基礎合奏をおこなっている。ただ、コンクール用の編成のときなど、ドラムセットがない場合には状況に応じてスネアドラム・バスドラム・シンバルでリズムを刻むそうだ。
また、特にジャズポップスの練習の際、部員たちが返事をするときは「はい」ではなく、「イエイ!」と言うのが近高流。こんなオリジナリティが、2024年度、11年ぶりに全日本吹奏楽コンクール出場を果たした原動力のひとつになったのかもしれない。
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