子供が小学5年生のときに中学受験から撤退、そこから方向転換をして小学6年の夏には留学のためにカナダに渡航しました。

 海外留学はあらかじめ計画していたものではなく、子供が塾を辞めたいと言ったあと、子供の将来のためにはどうするのがいいのかを考え、コロナ禍で私の仕事がリモートでできるようになったことも後押しして、急遽決定したものです。

英語初心者の状態でカナダに留学した息子

 そのため、息子のこれまでの英語学習といえば、公立小学校で受けていた英語の授業、小学校低学年のころに少し通っていたネイティブの先生がいる英会話教室、塾をやめたあと小学5年から始めたオンライン英会話くらい。

 英会話教室に通い始めたのは、海外旅行中に旅先でお友達ができ、英語が喋れたらもっと仲良くなってもっと一緒に遊べるのに、と本人が気づいたことがきっかけ。

 クラスの様子を見てみると、すごく楽しそうにやっていたのですが、本人は英語が喋れるようになりたかっただけなのに、英検を勧められたり、英語の読み書きの宿題があったりするのが苦になってきたようで(汗)、しばらくしてやめてしまいました。

 塾を辞めてからは、また英会話をやってみるのもいいかなと思い、オンライン英会話の「ネイティブキャンプ」をスタート。子供向けの先生のおすすめリストを教えてもらえたので、自分の好きなときにレッスンを取り、楽しく英会話ができるお気に入りの先生を本人が見つけていきました。このオンライン英会話は、カナダに渡航する直前まで続けていました。

英語環境には慣れていたが、読み書きは苦手

 それ以外に英語に触れた経験といえば、海外旅行時くらい。

 子供が2歳前後のころから、私は息子と2人でよくグアムに遊びに行っていました。日本から3時間ちょっとで行けて、時差もほぼなく、手軽に南国を味わえる場所として気に入っていたんです。

 その旅行のついでに、子供をサマースクールに入れてみるのもいいかなと思い、小学校の低学年のころにホテル主催のキッズキャンプに1週間通わせました。内容はお勉強ではなく、遊んだりいろんな体験をしたりするのがメインだったので、これで英語を伸ばしたいというよりは、子供が英語に対してハードルを抱くようになる前に英語環境に慣れてほしい、という私の思いがありました。

 実際に行ってみると、そのキッズキャンプは旅行者向けと言うよりは、夏休みに学童のような形で参加するローカルの子たちがメインだったので、日本語を喋れる先生も子供もいませんでした。

 初日はなかなか私から離れてくれず、参加するのが難しいかな……と思ったものの、時間が経ったら本人もその場に慣れてきたのか、「ひとりで行ってみる」と私の元を離れていきました。お迎えの時間にはすっかり打ち解けていて、「楽しかった! 明日も行く!」と乗り気になっていたのでひと安心したのを今でも覚えています。

 ほかにも旅先ではよくキッズクラブにも参加させました。これも英語の勉強というよりは、英語を喋れる先生がいてくれて、子供たちが一緒に楽しい時を過ごすものでした。

 そのため、英語環境には多少ですが慣れていたし、本人も「英語が喋れたら友達と遊べる」という気持ちももっていました。オンライン英会話を始めたおかげで、小学校のクラスメイトに英語の発音がうまい! と褒められたと喜んでいたこともありました。なので、本人にとっては、英語に対してポジティブな感情はあったと思います。

 ですが、読み書きは私が積極的に何かをやらせていた訳ではなかったので、たとえば、「Good Morning」と言えても、「Morning」と自分で書くことは難しかったかもしれません。英検も受けさせたことはありませんでした。

 つまり、英語はかなり初心者(ほぼゼロ)の状態で渡航したのです。

留学当初は周りが何を言っているのかまったくわからなかった

 2022年9月からグレード7(小学校ではいちばん上の学年)に留学生としてカナダの公立小学校に入学。同じタイミングで同じ小学校に入学した日本人留学生は3組くらいいましたが、学年が違ったのでクラスメイトには日本語がわかる子がいませんでした。もちろん、先生も日本語はわかりません。

 そんな中で毎日学校に通うことになった息子に今当時を振り返ってどうだった? と聞いてみると、...