「中学受験の塾は、新4年生からでいい」。そう考えていたにも関わらず、長男がSAPIXに入塾したのは、予定より1年早い新3年生のとき。きっかけは、「希望する校舎が定員いっぱいになり、入塾できなくなるかもしれない」という思いがけない情報でした。
まだ小学2年生なのに、もう塾の“席取り”をしなければならないの? 驚きながらも「とりあえず在籍だけしておこう」と入塾することに。
では、低学年から塾に通うことに、本当に意味はあるのでしょうか。長男の中学受験を終えた今だからこそわかるのは、早くから通ったことで得られたものが確かにある一方、低学年では「塾に通うこと」以上に大切なこともあったということ。新3年生からSAPIXに通わせた経験を振り返りながら、低学年からの通塾のメリットと落とし穴についてお話しします。
「新4年生から」のつもりが、思わぬタイミングで入塾
「よし、長男が新4年生になったらSAPIXに通わせようかな」。のんびり構えていた私でしたが、ある日、思いもよらない話を耳にします。
「SAPIXのあの校舎、タワーマンション建設で新3年生になる前には定員がいっぱいになって入塾を締め切るらしいよ」
えっ⁉ 進学塾って新4年生からじゃないの?
私は本気で驚きました。小学2年生の終わりに定員を心配しなければならないなんて、想像もしていなかったのです。半信半疑で周囲に聞いてみると、同じような話を何人もの保護者から聞きました。
「とりあえず席だけ押さえたよ」
「入ったらそれでOK、ただの席取りよ」
そんな会話が、当たり前のように交わされていました。今振り返れば、首都圏の中学受験がどんどん早期化していく、その入り口だったのかもしれません。結局、わが家もどうしても徒歩5分のその校舎に通いたくて、「在籍だけしておこう」という判断をしました。
そして、この「とりあえず入っておこう」という選択が、あとになって私にいろいろなことを教えてくれることになります。このときはまだ、この選択がその後にどう影響するのか、わかっていませんでした。
「低学年から塾」は本当に必要? SAPIXに新3年生から通わせてわかったこと
こうして長男は、新3年生からSAPIXへ通い始めました。
「受験塾」と聞くと、小学生が毎日机に向かい、夜遅くまで勉強しているようなイメージを持つ方もいるかもしれません。でも、少なくとも新3年生の段階では「あれ、思っていたほど大変じゃない」というのが正直な感想でした。
授業は楽しそうでしたし、本人も嫌がる様子はありません。もちろん、これは校舎や先生、そして何より子どものタイプによって違うとは思いますが、SAPIXの低学年の授業はクイズのように学ぶ楽しさを共有する場、という印象です。
そんなわけで、「塾に新3年生から通わせてよかったですか?」と聞かれると、少し答えに迷います。「必要でした」とまでは言えません。かといって、「意味がありませんでした」と言うこともない。国語で色々な文章を読み、算数で頭を使う問題に触れるのは、メリットもあったように思います。
しかし、これから中学受験を考えている人に、一つだけお伝えしたいことがあります。それは、塾に行くことで下手に安心してしまい、読書や漢字の練習、計算練習を一切家でしなくなる、というのが最悪のシナリオだと感じました。
塾は授業をしてくれて、子どもが考えるきっかけも与えてくれます。でも、毎日の学習習慣までは作ってくれません。それはやはり、家庭の役目なのです。受験が終わってみると、最後まで長男を支えてくれたのは、継続する力や、基礎的な計算力、本で得た知識でした。
受験が終わった今だからこそ言えるのですが、低学年のうちは、塾よりも家庭でできることのほうが、実はたくさんあるのです。
「自分は勉強が得意」低学年で育った“根拠なき自信”が支えたもの
もっとも、こんなことを書くと、「じゃあ、低学年から塾へ通う意味がないのでは?」と思われるかもしれません。それもまた実感と少し違うところがあります。
今となって思えば、...