前回配信した「吹部ノート」、ノースアジア大学明桜高校の3年生、池島春絵さんの夢は、全日本吹奏楽コンクール金賞と、東京藝術大学合格。

第73回全日本吹奏楽コンクール振り返りレビューの動画に出演してくれた八王子学園八王子高校吹奏楽部の元部長である飛川希さんは卒業後に東京藝術大学に進学しました。

さて、自分が高校生のときに学校の授業で東京藝術大出身の先生が担当する美術のクラスを受けていました。その先生は常勤ではなく、本業は芸術家として活動をしています。

風貌からしてかなり型破りで、蛍光の黄色のジャケットをはおり、最初の授業のテ―マが「芸術とはなにか」についてディスカッションをするといった内容だったと思います。

印象的だったのが油絵を描く授業での絵の評価方法です。描き終わると美術室の前に生徒の絵を並べいきます。上手い絵は右に。下手な絵は左に。

それを決めるのは教師ではなく描いた本人です。自分の絵がクラスのなかで一番上手いと思ったら自分の絵を一番右に置きます。

そんな感じでいったんすべての絵が並べ終えたあとに、左の絵から順にこの絵はどの位置がふさわしいかについて全員で議論します。それを踏まえて、それぞれの絵が右にいったり、左にいったりしながら最終的な位置が確定します。

絵を描くのはともあれ、評価するポイントはどこなのか、そもそも絵画を評価する絶対的な基準が存在するのかなど、正解のない問いについて議論するのは楽しかったです。

当時の自分は「価値観というのは相対的なものにすぎないってことを、言いたいんだよなこれは」と思っていました。

多感だった高校生にとって、この先生の影響は大きく、東大から東京藝大に志望校を変えたクラスメートもいました。

「東大よりも東京藝大の方が格好いい」

そんな価値観がいまだにあり、東京藝大には憧れのイメージがあります。池島さんの2つの夢がともに叶うよう願っております。
 

編集・雪