いつもシンクロナスをご覧いただきありがとうございます。シンクロ通信日曜日担当の望月です。
京都の小学生行方不明事件。ニュースで進展を知ることしかできませんが、1日も早い解決が望みます。
そして今回の事件や、関わる企画の関係で、学生時代の裁判傍聴を思い出しています。
その中でとくに最近思い出すのは「強盗傷害事件」と「覚せい剤取締法違反」の裁判。
両裁判とも、事件以上に、被告人の背景を知る重要性を感じたことが印象深い理由です。
今回はそのうちの「強盗傷害事件」について、学生時代を思い出しながら書きたいと思います。
・被告人はパチンコ景品交換所に侵入し、従業員にナイフを突きつけるなどして怪我を負わせ、金庫から現金を盗んだ。
・動機は借金返済に充てるため。
・争点は情状の余地があるか。つまりどんな刑にするか。
※判決が同日に行われなかったため、その後容疑者がどうなったかはわかりません。
先述の通り、私はこの裁判を事件の内容以上に、被告人の背景に注目していました。より正確にいうと被告人に同情しながら見ていました。
というのも、被告人の借金はギャンブルや自身の散財が原因ではなく、周りの人の無理を聞き続け、自身の財産で補填していった結果に膨れ上がったものだったからです。
もちろん被害者の利益(安全や健康、資産)が害されたことは言うまでもなく、被告人の行った行為は許されるものではありません。
ただ、なぜこの人は強盗を行うほどに追い詰められてしまったのか、追い詰めるに至った被告の人格や環境はどうなものであったのか。被害者の救済はもちろん、加害者を減らすという視点を与えてくれたのが、この「強盗傷害事件」の裁判です。
そんな学生時代の体験があったからというわけではありませんが、ありがたいことに学生時代に感じたことにつながる「子どもが伸びる 親子の距離感」という企画を担当しています。
この企画は、犯罪心理学者・出口保行先生に、子どもを非行や犯罪に走らせないために親ができる接し方=「距離感」を学ぶコンテンツです。
「こうあるべき」という子育て論の正解を提案するのではなく、各家庭・親の指針や、子どもへの思いを尊重しながら、より子どもが安心して成長するために必要な意識や言動を、「スマホ」や「学力」など、どの家庭も抱える悩みを切り口にお話しいただいています。
子育てと犯罪をリアルに結びつけるのは難しいかもしれませんが、先の被告人のような犯罪加害者になる人にも子ども時代があったことを想像すると、私は無関係とは思いません。
最後に余談として裁判傍聴について。
はじめて裁判傍聴に行くなら裁判員裁判をおすすめします。
理由は、通常の裁判よりも「裁判員裁判」のほうが、裁判の内容を把握しやすいからです。
日本の刑事裁判は「冒頭手続」→「証拠調べ手続」→「弁論手続」を経て、「判決」となりますが、通常の裁判は1日1つの手続きで終了します。つまり「冒頭手続」のみ、「証拠調べ手続」のみで、裁判手続きが終了し、次の手続きは後日(1か月後など)に行われます。
そのため裁判の全体像を把握することが難しいです。(「冒頭手続」は5分ほどで閉廷します。)
一方「裁判員裁判」は、3つの手続きを1日で終わらることが多いです。そのため裁判の全体像を把握することが出来ます。
加えて裁判員裁判は、普段裁判に関わらない「裁判員」への説明が必要な関係上、弁護側も、検察側も、丁寧にお互いの主張やその根拠を説明するため、傍聴人としても内容がわかりやすいです。
以上の理由から、はじめて裁判傍聴に行く場合は、「裁判員裁判」をおすすめします。
裁判は平日の昼間に行われているため土日休みの人が傍聴に行くのは難しいと思いますが、もし機会があれば足を運んでみてください。
裁判員裁判に期日は各裁判所のHPで公開されています。
https://www.courts.go.jp/tokyo/saibanin/kaiteikijitsu/index.html
