人気記事「『小説の舞台』をなぞる―近代の天才作家・梶井基次郎が描く京都」から、記事と連動して楽しむ京都・寺町通の特製地図をお届けします。

このマップを片手に歩けば、いつもとは少し違う京都の一面に出会えるに違いなし。さらに、著者・重永瞬さんおすすめの立ち寄りスポットも掲載。

トレースツーリズムならではの視点で、物語と現実が交差する京都散策をぜひお楽しみください。

【実践編】トレースツーリズム

 「トレースツーリズム」の実践として、梶井基次郎『檸檬』の舞台となった寺町通を歩いてみましょう。

 寺町通は、平安京の東端「東京極大路」を起源とし、豊臣秀吉によってそれまで市内に散在していた寺院が集められたことから「寺町」と呼ばれるようになりました。

 すぐそばには、秀吉が築いた京都を囲う土塁「御土居」(地図・茶色)も残り、まさに「京都のヘリ」と言える通りです。

 かつてここを走っていた路面電車(地図・紫色)や、盛り場・新京極にひしめいていた映画館を思い浮かべながら、檸檬を片手に歩いた「私」の足取りをなぞってみてください。

主人公「私」の足取りをなぞる地図

 
かぎや跡
主人公「私」が、かぎや(菓子屋)の二階の窓から八百卯(果物屋)を眺めた場所。...