いつもシンクロナスをご覧いただきありがとうございます。シンクロ通信日曜日担当の望月です。
人の家にいくと本棚が気になります。
本棚にはその人のルーツや悩み、趣味など個性が詰まっている気がして面白いです。ただ自分の本棚を見られるのは恥ずかしいので人の家でもほどほどにするように気をつけています。
そんな本棚を通して小説の登場人物の個性を表現する面白い試みがあります。
それが、米澤穂信さんの小説『氷菓』や『愚者のエンドロール』など、いわゆる「古典部シリーズ」の設定や裏話を載せた『米澤穂信と古典部』という本です。
「古典部シリーズ」は高校生・折木奉太郎が、所属する部活「古典部」の周りで起こる「謎」を解決していくミステリーです。
『米澤穂信と古典部』では主人公の折木を含む「古典部」4人の本棚を著者の米澤穂信さんが考え、紹介しています。
本棚紹介のページに掲載されている米澤さんの一言メモを見ると、その人物の性格、家族構成、趣味、行動原理など、これまで築きあげてきた4人の人物像を崩さずに、本を20冊ほど選ぶのは、自分が構想した登場人物だからこそ、難しかったみたいです。
それでも考え抜かれた本の数々によって、それぞれ4人のことがより知ることができる面白い本棚になっていました。
YouTubeの「おすすめ本」の動画から本を買う人も多いと思いますが、好きな小説の登場人物が読んでいる本もだから読んでみようという本の買い方も良いなと思いました。