ベッキーと一緒にオーガニックについて学んでいく「Hello! Organic」、第10回目の授業テーマはとっても身近な調味料 “塩”について。講師にソルトコーディネーターの青山志穂さんを迎えて、「減塩って言われているけど塩は体に必要なの?」「人間の塩分は太古の海と同じって本当?」など、さまざまなお話を伺いました。

文=シンクロナス編集部

ベッキー 今回はですね、私たちの生活には欠かせない“塩”について学んでいきたいと思います。ということで、本日の先生はソルトコーディネーターの青山志穂先生です。

青山志穂さん(以下、敬称略) よろしくお願いします!

 

 

ベッキー あのう、塩だけで1時間半しゃべれますか?(笑)

青山 しゃべれます! なんだったら、終電まででも!

ベッキー マジですか! 塩って狭い世界なのかなって思いましたが、確かに大事だし地球上にいっぱいあるし、自然界にもいろいろあるなと思って。今日は塩の深い世界があるのかなと、ドキドキしています!

塩に魅せられたきっかけは「健康」⁉︎

ベッキー 先生は何をきっかけにしてソルトコーディネーターの道を選ばれたのでしょうか?

青山 もともと食品メーカーで商品開発をやっていて、食には興味があったんです。しかし当時は天然の塩とそうではない塩がある程度の知識で、そこまで興味はなかったんですよね。

 ただちょっと働き過ぎて身体を壊したんですよ。それで一度暖かいところで養生しながら生活しようと思って、沖縄県に移住をしたのをきっかけに塩と出会い、ずぶ〜っとハマってしまった感じなんですよね。

ベッキー 沖縄で塩といったら「ぬちまーす」ですけど、そこら辺の出会いですか?

青山 そうですね。実は沖縄だけでも、塩を作っている製塩所が30ヶ所以上あるんですよ。沖縄県産の塩が100種類以上あるんです。塩の専門店を経営する会社に転職したのをきっかけに、塩の道にハマってしまいまして。

ベッキー 食品メーカーにいた頃は、天然の塩とそうじゃない塩があるざっくりした程度だったとおっしゃっていましたが、天然の塩の中にもいろんな種類があるんですか?

青山 そうなんです。一個一個、味や形が全然違うんですよ。しかも作ってらっしゃる職人さんのポリシーや生き様とかも全部違うので、それが面白くてどハマりした感じですね。

ベッキー 塩の世界にハマってから体調は回復したんですか?

 

青山 半年ぐらいかけてゆっくり治していったのですが、質の良い塩をとるようになってから体温が上がったんですよ。それで風邪を引きづらくなったりして、すごい元気になりましたね。

ベッキー 結局、体温が上がれば元気でいられるますよね。

青山 そうなんです。この1℃の差が結構大きいんですよね。

ベッキー 世の中的にはやっぱり「減塩」。塩を取っちゃいけないって言いますけど、良い塩を取り始めたら体調良くなったんですよね。

青山 「減塩」っていうんですけど、減らしすぎると本当に危ないんです。適度に適切な質と量をとるっていうのが大事だと思います。

なぜ人間には塩が欠かせない?太古の海にヒントがある

ベッキー なぜ、人間の体は塩が欠かせないでしょうか?

青山 私たちのルーツである最初の生命体はどこで発生したかというと、海の中で発生したんですよね。初めて生命体が発生した時の海水の塩分濃度は、何%だったかご存知ですか?

ベッキー え〜、知らない! 今の海水の塩分濃度も知らないです(笑)

青山 今で3.4%くらいです

ベッキー え! 3.4%であんなにしょっぱいんですか?

青山 そうなんです、3.4%であんなにしょっぱいんですよ。一方、太古の昔、地球上の海に初めて生命体が発生した時は、0.9%ぐらいだったんです。それで私たちの祖先が進化をして、地上に上がってくるときに、体の中にその0.9%の海を取り込んだから、陸上で生活ができるようになったんです。

 なので、私たち今でも体の中に0.9%の太古の海を持っているんですよ。

ベッキー えええ! そのままなんだ! すごーい!!

青山 赤ちゃんが育つ羊水は、ほぼほぼその太古の海水と同じ組成でできているので、いまだに私たちは海の中で育ち、その海を体の中に取り込み終わったら、外に出てくるんです。

 なので、この体の中の海を正常に保てるかということが、元気に生活をしていけるかどうかの大事な要になるんですよ。

 

ベッキー うわー、やっぱり深い話になるわ。もう、何億年前の話になっちゃうということですよね。だからその0.9%を保つために、塩分は大事ということなんですか?

青山 そうなんです。しかもこの塩分、つまりミネラルの塊ですね。ミネラルは色んな事に関与しているので、ないと本当に死んでしまうんですけど、なんと体の中では作り出せないので、必ず摂らないとならないんです。それを摂るのに一番効果的なのが、塩なんですね。

1日に3リットル!? 知らない間に体から出ていく塩

ベッキー なるほどね〜、おもしろい! 真夏に汗かいた時に塩分も大事と言うけど、あれは汗で塩分がなくなっているから摂るんですか?

青山 そうです、そうです。私たち夏場になると、例えば1日家の中で家事をして外に出なかったっていう日でも、気づいてないうちに汗をかいて蒸発しているので、だいたい3リットルぐらいかくんですよ。

 汗の中に塩分は0.2〜0.5%からぐらい含まれているので、結構な量の塩分が知らない間に失われているんですよね。それで水だけを飲むと、体の塩分濃度が0.9%より下がるので、体が「あぶない!」と反応して水分を出そうとして、トイレが近くなるんです。で、結局水分を取っているのに保水ができないから、ただただ頻尿になるというわけなんです。

ベッキー そういうことなんだ!

青山 なので、夏場になると「水分と一緒に塩分も摂りましょう」と言われるのは、摂った水分を体に保水するためでもあるんですよね。

ベッキー  へぇ〜、めちゃめちゃ大事! だから塩味の飴が夏は増えるんですね。

青山 工場など、温度が高くなる所でお仕事されてる方は1日12リットルぐらい汗をかくんですって。なのでそこでは容器に塩が入れて置いてあるんです。水を飲んで、塩を舐めて、というようにしないと、体の塩分がなくなりすぎて危ないんですよね。

ベッキー そういう時はスポーツウォーターなどの清涼飲料水とかに手を伸ばしがちですけど、あれは砂糖が入っていますよね。砂糖と塩ってバチバチ(対立関係)なんですか?

青山 浸透圧の関係で、砂糖がある程度入っていたほうが、塩分を吸収しやすいというのはあります。なのでスポーツをやっていて、「この瞬間に水分とミネラルと糖分を補給せなあかん!」というときは、スポーツドリンクすごくいいんですけど、日常生活で3〜4リットルくらいの汗を、じわじわかいている状態だと、その糖分はちょっと余計ですね。

ベッキー なるほど〜。

超カンタン! 自家製スポーツドリンクの作り方

青山 なので私は自家製のスポーツドリンクをおすすめしています。ペットボトルやマイボトルに水と塩を入れてシャカシャカ振って、飲みにくければちょっとレモン果汁やお好みでミントなどを入れたら出来上がりです。それだけで十分に塩分と水分の補給になりますので。

ベッキー ムダがない!

青山 そうそう、しかもお金もあんまりかからないので!

ベッキー 先生は夏場、どのようなドリンク飲んでいますか?

青山 私は炭酸水が好きなので、炭酸水に塩を入れて、レモンを入れて、ハーブがあればハーブ入れて。きゅうりも結構合うので入れていますね。きゅうりとレモンは塩とすごく相性がいいんですよ。デトックスウォーターに塩を入れているような感じなんです。あとグレープフルーツを入れてみたり。冷蔵庫の残り物をちょこちょこ入れている感じですね。

ベッキー ちなみに500mlのペットボトルに塩を入れるとしたらどれくらいですか?

青山 4〜5gくらいで十分です。ちょうど市販のペットボトルはちょうど肩分が空いているので、4gくらい計って入れて、レモン果汁を大さじ一杯入れて、シャカシャカ振ったら、そのまま持っていけますね。

ベッキー 4〜5gはひとつまみぐらいですか?

青山 ひとつまみよりちょっと多いぐらいですね。

ヘルシー志向の人が実は危ない!? 冬も塩が欠かせない理由

ベッキー そうなんですね、じゃあ私もやろう! 私はとにかく、毎日水ばっかり飲んでいるんですよ。とはいえ、ごめんなさい。家事と育児に追われて、いっぱいは飲んでいないです……(笑) ちなみに、冬でも塩はある程度入っている方がいいのですか?

青山 塩は体温を上げる働きがあるので、冬も必要ですね。塩不足の人には、低体温の方が多いんですよ。

 特に、健康に気をつけていると、野菜や果物を意識して摂るかと思います。そうすると、体内のナトリウムを輩出するカリウムというミネラルが生野菜や果物が多いので、よけいナトリウム不足になりやすいんです。

ベッキー そうなんですね!

青山 スムージーを作って飲んだり、野菜をいっぱい食べるようにしているのに、なんか体が冷えるし、いまいち体調が良くないという時は、塩分不足になっている可能性が高いです。その場合、スムージーに少し塩を入れるだけでも全然違ってきます。

ベッキー スムージーに塩を入れる発想はなかったな〜。

ベッキーも実践! 自宅でできるミネラルチェック

青山 ちなみに今、ベッキーさんにミネラルが足りているかどうかチェックしてみませんか?

ベッキー してください! 私を試してください!(笑)

青山 こちら魔法の水でございます。こちらを飲んでいただくと、どうですか?

 

ベッキー ちょうどいい! もちろん塩は感じますけど、「しょっぱっ」ともならないし、無味無臭とも思わないし、ちょうどいいですね。

青山 ちょっと美味しいかなというぐらいですか?

ベッキー 美味しいです! うま味もちゃんとある。

青山 そしたら今日ちょっとたぶんミネラル足りてないですね。足りている時はもう体に充分な塩分があるときは「しょっぱっ」と思うんですよ、その水。

ベッキー そうなんだ!

青山 ちょうどさっきお話しした自家製スポーツドリンクのレモンとか入ってない状態で塩と水だけなのですけど。

ベッキー 足りている人はしょっぱくなるんですね。

青山 舌ってとても便利にできていて、同じ食べ物を食べても美味しいと思う時と、美味しくない時ってあるじゃないですか。あれは、必要なときは美味しく感じるようにできているんですよね。

 つまりこの塩水を美味しいと感じるということは、体がもう少し塩分がほしいと言っているんです。

ベッキー ちなみに、これにはどれくらい塩が入っているんですか?

青山 これがさっきお話した500mlの水に4gぐらいです。

ベッキー なるほど。へえ、こういうチェックの仕方もあるんですね。

青山 これを朝に飲むと、朝の自分の状態が分かるので、その日一日の食事の計画が立てられるんです。

ベッキー 先生は毎日チェックしてるんですか?

青山 私は日々塩をテイスティングしたりして、1日15gぐらいは平均して摂っていたりするので、朝飲むとだいたいしょっぱいです。おいしく感じるのは、お酒を飲んだ次の日ぐらいですね(笑)

ベッキー そっか。ちなみに人間は1日どれくらいの塩が必要なんですか?

青山 生活の強度というか、どのぐらいの動きをしたかによって幅があるんですけれども、1日1gぐらいで足ります。

ベッキー そうなんですか!? でも先ほどのペットボトルに4〜5g入れたらオーバーしちゃいますよね?

青山 日常生活でどのぐらい摂っているかというと1日10gぐらい摂っているんです。国が推奨している量では6.5〜7.5gと言われているんですけどね。

 最低限の生命を維持するという意味で、1gぐらいあればいいのですが、そこから活動して元気に細胞を代謝させることを考えると、もっとミネラルは消費されるので、もっと量が必要になってきます。

ベッキー おもしろい! 塩の種類についても、お話伺っていいですか? 先ほど見せてもらいました「日本と世界の塩の図鑑」(青山志穂著)なんですが、塩こんなにたくさんあるんですね!

青山 日本で塩を買おうと思ったら、海外の輸入されたものも含めて4000種類ぐらいを買えるんです。純国産の日本の海水から作った塩だけでも1000種類ぐらいはあるので、その気になれば1000種類の塩のコレクションができます。

ベッキー 大きく分けると、塩は何のグループに分けられますか?

青山 大きく分けると原材料別に海水からできた「海水塩」というグループ、地中から埋まっているものを取り出した「岩塩」というグループ、あとウユニ塩湖とかの塩の湖から取れる「湖塩」というグループ、あとは温泉水とか地下から湧いてくる塩水で作るのもあるので、「地下塩水塩」という4つのグループに分かれていて、でそこに塩から作った塩っていうのもあるんですよ。

ベッキー えええ!

青山 大丈夫、安全です! あの伯方の塩や赤穂の天塩は、海外の海水塩を買って日本の海水で溶かしたりとかして、もう一回塩にし直したりにがりを足してちょっと加工して、もう一回塩にしたりという「再生加工塩」というジャンルもあります。

ベッキー それはあまりナチュラルではないんですか?

青山 海外の二年ぐらいかけて天日で結晶させた完全天日塩を日本に輸入をして、もう一回加工し直すのは、どうしても外なのでゴミが入ったりするのでそれを落とすためにもう一回加工をするので、すごく人工的に何か手を加えるってことでもないんですよね。

ベッキー あ、そうなんですね! ナチュラルなんだ。

青山 そうなんです。ナチュラルなお塩です。

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