兄弟姉妹、友達...

子ども同士の喧嘩・トラブルに親がどこまで介入するのが適切か。判断に迷う人も少なくないのではないでしょうか。

今回は少年鑑別所や刑務所で1万人以上の犯罪者の心理分析を行ってきた、犯罪心理学者・出口保行先生に、子ども同士でトラブルが起こったときの、親の接し方について伺いました。

 

子ども同士のトラブルは、成長のための「経験値」

ーー子ども同士のトラブルに対して親がどう対応すればいいのかについて、お話を伺いたいと思います。小学生ぐらいになると、家庭でも学校でも、喧嘩やトラブルが多くなると思います。そんなとき親がどのような姿勢を子どもに示せばいいでしょうか?

出口保行(以下、出口):実際に子ども同士でトラブルがあったときに、まず親が自分の子どもに対して見せる姿勢というものがあります。

 子どもの話をどこまで聞いてあげられるのかということが、一番大事なことなんです。

 子ども同士のトラブルというのはいくらでも起きることです。ただそのトラブルの中で成長していくこともたくさんあります。

 そのトラブルをどうやって解決していったのかということが、その子にとっての経験値になります。

 ですから、トラブル=ネガティブなことと考えなくても大丈夫です。

親は「裁判官」になってはいけない

出口:少年鑑別所で勤務していた際、地域援助という形で、子育てに不安がある親御さんが相談に来るということが非常に多くありました。そこでも子どもの喧嘩への対応の話題は常に出ていました。

「子ども同士のトラブルに、親はどう対処すればいいですか?」と聞かれたとき、私がいつもお伝えしていたのは、「親が裁判官にならないでくださいね」というお話です。

 つまり、子どもからいろいろな話を聞いた上で、それについて良し悪しの判断をしないということです。

 そして、トラブルのお相手について、言ったこと、やったことの善し悪しの判断をしない。

 もし当事者の親の両方が裁判官になってしまったら、裁判官が2人になってしまうわけですね。

 そうすると規範がいくつもできてしまい、子どもは何に従えばいいのか分からなくなってしまいます。

 そうではなくて、子どもたちにとって「どういう事態だったのか」ということを、親が口出しするのではなく、子どもの口から話させて聞いてあげることが一番です。

 そして「じゃあ、どうすればいいのか」ということを子どもたち自身に考えさせるということ。

 これを習慣づけないと、成長にはつながりません。

 「トラブル=ネガティブなことではない」と知っておくこと。これがまず、親として一番重要なポイントになります。

「我が子の肩を持つ」「我が子を悪者にする」親が陥りがちなパターン

ーーありがとうございます。子ども同士のトラブルになったとき、親がやりがちな行動として、自分の子どもの肩を持つようなこともあると思うのですが、そういうことではなくて、ということですね。

出口:そうですね。自分の子どもの肩を持つパターンと、もう一つは自分の子どもを悪者にして相手を持ち上げるパターンがあります。

 どちらのパターンにしても大事なのは、「良い・悪い」という判断をしないということです。繰り返しになりますが「裁判官にならない」ということが、一番大事なポイントになります。

親が絶対にやってはいけないNGな接し方

ーーありがとうございます。これもありがちな質問になってしまうのですが、トラブルに巻き込まれた子どもに対して「これは絶対に言ってはいけない」言葉はありますでしょうか。「裁判官にならない」と頭では分かっていても、つい言ってしまうことがあると思います。

出口:絶対に言ってはいけないことというのは、「トラブルの相手を批判する」ということです。

 まず最初に、「〇〇ちゃんが悪いよね」という話から入ってしまったら、その後すべての話がその方向性になってしまいます。批判をしない。これが一番大事なポイントになります。

「子どもの喧嘩」と親子の距離感 まとめ
・子ども同士のトラブルは成長のチャンス。
・親は「裁判官」になってはいけない。
・「相手への批判」はNG
出口保行
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