サッカーの鹿島アントラーズが、横浜F・マリノスとの今季最終戦を2-1で勝ち、2016年以来9年ぶりにリーグ王者に復活しました。
就任1年目で成し遂げた鬼木達監督。J屈指の名将の下で成長を遂げたチームは、国内最多を誇る獲得タイトル数を「21」に伸ばしました。
鹿島といえば、私がサッカーダイジェストで働いていたとき、約3年間担当させていただいたクラブです。私が担当していたのは2000年から。翌年、元ブラジル代表の名手トニーニョ・セレーゾ監督のもと、本田泰人さんや秋田豊さんなどのベテラン、中田浩二さんや小笠原満男さんなどの1979年生まれの黄金世代の若手が融合。J Jリーグ史上初の三冠達成を成し遂げました。
三冠とはナビスコカップ、リーグ、天皇杯のことですが、三冠目の天皇杯優勝を成し遂げた2001年元旦。忘れられない出来事があります。
試合後のミックスゾーンで、控え室から当時のゲームキャプテン秋田豊さんがシャンパンを手に持ちながら、私のもとにやってきました。なにか怒られるのかな?と思いつつ目を向けると……開口一番、秋田さんがこう言ってきました。
「優勝を味わいたかったんだろ?」
な、なんと! まさかのシャンパンを飲ませてもらえたのです。
そういえば……その1ヶ月前、リーグ優勝記念として秋田さんにインタビューをさせていただいた取材後。雑談で思わず「記者という立場なのか、優勝しても自分ごとのように思えない」と言ってしまった、失言ともいえる言葉を秋田さんは覚えてくれていたのです……大感動でした。
鹿島の強さを語るとき、よくジーコイズムという言葉が出てきます。ジーコが植え付けたメンタリティとは「献身・誠実・尊重」という3つの基本精神ですが、25年前に味わったシャンパンは、私にとって一生の思い出となったと同時に、ジーコが言い続けていた「チームはファミリーなんだ」という言葉を知った瞬間でもありました。
鹿島の皆さん、9年ぶりの優勝おめでとうございます!
