日本代表の(2025年)11月シリーズ、ボリビア戦・ガーナ戦のメンバーが発表された。北野颯太、後藤啓介、小久保 玲央 ブライアンといった若手の招集が話題を集める中、森保一監督がメンバー発表の場で語ったある発言が注目を集めている。「試すとは何か」を問われた森保監督は、「戦術」「選手個人のパフォーマンス」、そして「グループとしての組み合わせ」の3つに分けて答えたという。この3つ目の「組み合わせ」こそが、今シリーズを読み解く最大のキーワードだと解説するのが、日本代表を長年ウォッチしてきたスポーツジャーナリストのミムラユウスケ氏だ。町野選手をどう組み込むか、菅原由勢選手の役割はどう変わるのか——11月シリーズの核心に迫る。

【テーマ】
ミムラユウスケ「森保ジャパンW杯観戦術」
【動画14】指揮官の言葉で振り返る「森保ジャパン8years」(4)

【INDEX】
・メンバーの印象
・チャレンジ枠「後藤・佐藤・小久保…」
・大宮・宮沢新監督のサッカーが面白い理由
・森保監督の注目発言「戦術・パフォーマンス・組み合わせ」
・じわじわ上がっている町野株「1トップ上田、2シャドー南野・町野」
・11月シリーズの見どころ=「キーマン町野をどう活かすか」
動画時間(28分26分)

「チャレンジ枠」という一貫した方針——若手招集の意味を読む

――今回のメンバー発表を見て、全体的にどんな印象を持ちましたか?

ミムラユウスケ:天皇杯の準決勝に出ていた選手を呼びづらいという事情があったので、26人の中でも「チャレンジ枠」に近い選手が例年より多くなった印象ですね。(2025年)9月だったら望月ヘンリー選手がそういう感じで、今回は北野颯太選手、後藤圭佑選手、小久保玲央ブライアン選手あたりがその枠にあたるのかなと。

――佐藤龍之介選手も入りましたね。

ミムラユウスケ:佐藤龍之介選手は6月に呼んで、7月のE-1選手権にも呼んで、U-20ワールドカップがあった時期は呼ばなかったんですが、また今回招集されたんですよね。これは単なるチャレンジ枠というより、むしろ結構期待されているのかなという印象を受けました。運動量があってハートが強い。そういったところを評価しているんだろうと思います。

――こうした若手を継続的に招集するのは、森保監督の一貫した方針なんでしょうか。

ミムラユウスケ:そうですね。古くは岡田武史さんが1998年の日韓戦で高校3年生の市川選手を呼んだ時も、「この世代の選手は一気に伸びる可能性があるから」という理由でした。若手というのはある日突然急成長することがある。だから2、3人はそういう選手を入れておく、というのは第2次森保政権になってから特に一貫した傾向として強くなっていると思います。彼らに刺激を与えて、その経験を所属クラブに持ち帰ってほしいという意図もプラスされながら。

 

左サイドバック不在が示す「3バック継続」のシグナル

――今回のメンバー構成全体を見ると、どんなことが読み取れますか?

ミムラユウスケ:端的に言って、左サイドバックを本職とする選手がいないんですよね。これはやはり3バックを継続するということを示していると思います。そこが明確に出ている。

――菅原由勢選手が久しぶりに復帰してきましたが、これはどういう意味合いがありますか?

三村:菅原選手は9月に追加招集されて、10月は招集されなかった。だから「消えたのか」と思った方もいると思うんですが、実はそうじゃない。伊藤純也選手がケガで呼べないので、その枠での招集だと僕は見ています。今のブレーメンはかなり攻撃的なサッカーをしていて、菅原選手がボックス内でボールを触る場面が増えている。バイエルン戦なんて5本もシュートを打ったんですよ、びっくりするくらい。

――では右のアウトサイドの序列はどうなりますか?

ミムラユウスケ:堂安選手が1番手というのは揺るぎない事実です。ただ、もし強い相手との対戦で堂安選手がいないとなったら、やはり菅原選手を使うというのがロジカルだと思う。伊藤純也選手はいろいろなポジションができる万能性があるんですが、サイドバック化したときの守備の安定感という意味では、菅原選手のほうが経験値が高い。だから序列として言えば堂安、伊藤、菅原という並びだけれども、対戦相手が強くなればなるほど菅原選手の出番は増えてくるかもしれない。

――堂安選手については所属クラブでの起用状況も変わってきていますよね。

ミムラユウスケ:そうなんです。フライブルク時代はほぼ4バックのチームだったので、ウイングバックというポジション自体がなかった。代表では右のウイングバックとしてあれだけこなしているのに、所属クラブでウイングバックをやったのは2、3シーズン前の2月頃のわずか1か月間だけくらいなんです。それが今の新監督のもとでは4試合中3試合、右のウイングバックで出ている。これは森保監督にとってはありがたい状況で、堂安選手がそのポジションにどんどん慣れていけるわけですから。

森保監督の注目発言——「試すこと」には3つの次元がある

――今回のメンバー発表会見で、森保監督の発言の中で特に気になったところはありましたか?

ミムラユウスケ:これは大事なポイントで、記者に「試合でいろいろと試すというのはどういう感覚なんですか」と聞かれた時に、森保監督が「試すというのは大きく分けて3つある」と言ったんですよ。1つ目が戦術、2つ目が選手個人のパフォーマンス、そして3つ目が「グループとしての組み合わせ」。この3つ目が同列に語られていたのが非常に印象的でした。

――「組み合わせ」というのは、つまりどういうことですか?...