「SYNCHRONOUS」にて連載中の「平安貴族列伝」の書籍が5月21日に発売。現在放送中の大河ドラマ「光る君へ」の時代考証を担当する著者の最新刊です。ぜひご一読ください。

京都御所 写真/アフロ

正史に残された知られざる平安貴族の人生

 日本の正史である六国史に載せられた個人の伝記「薨卒伝(こうそつでん)」。

 本書では藤原氏などの有名貴族からあまり知られていない人物まで、興味深い人物に関する薨卒伝を取り上げ、平安京に生きた面白い人々の実像を紹介します。

京都御所内庭 写真/アフロ

 藤原氏摂関摂関政治の最盛期を極めた藤原道長

 藤原不比等の代より認められた藤原氏は、奈良時代に南家・北家・式家・京家の四家に分かれます。

 奈良朝の政変劇によって力を失った南家でも、右大臣に登り詰めた 継縄(つぐただ)。

 天皇の後継者争いに巻き込まれ、非業の死を遂げた式家の仲成(なかなり)、異母兄とは真逆に無能で酒色のみを好んだ縵麻呂(かずらまろ)。

 出世より趣味を選んだ藤原京家の始祖・麻呂の子孫である継彦(つぐひこ)。

 そして、生き残った北家の中でも官歴を消されてしまった真夏(まなつ)と、北家に道長が誕生するまで、さまざまな官人が栄え、没落していきます。

 

 このように藤原氏をはじめ、古代の名族である紀氏や大伴氏、安倍晴明が子孫と称する安倍氏、皇親や内親王、僧侶など、正史に残された記録をたよりに、この時代に生きた人々の生涯を知ることで、平安時代を身近に感じることができる1冊です。

 出世だけではない官人たちの豊かな感性とともに、千年の時を経ても変わらない人間の本質に迫ります。

 

『平安貴族列伝』
著者:倉本一宏(歴史学者)
出版社:日本ビジネスプレス(SYNCHRONOUS BOOKS)
定価:1870円(税込)
発売日:2024年5月21日

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